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適格退職年金(適格退職年金とは)

法人税法施行令附則第16条に定められる14の適格要件すべてを満たし、国税庁長官の承認を得た年金制度を言います。

事業主は信託銀行、生命保険会社又は全国共済農業協同組合連合会(以下「受託機関」という。)と年金信託契約、年金保険契約又は年金共済契約を締結します。また投資顧問会社は運用のみを引き受けることができます。

事業主が負担する掛金は全額損金になります。

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適格退職年金(適格要件)

1.目的
退職年金の支給のみを目的とする。
2.契約
事業主がその使用人を受益者または保険金受取人とする信託契約または保険契約によること。
3.役員等の除外
役員等(使用人兼務役員を除く)は加入できないこと。
4.予定利率の変更
予定利率は、財政再計算時以外変更しないものであること。
5.適正な年金数理
掛金等は適正な年金数理に基づき算定されているものであること。予定利率は基準利率以上で設定されていること。
6.通常掛金
通常掛金は、定額方式、給与比例方式、またはこれに準ずる方式によること。
7.過去勤務債務等の償却
過去勤務債務等の償却は、定額方式または給与比例方式による方法(毎年の償却額は総額の35/100以下、または現在額の一定率(50%以下))によるものであること。
8.超過留保額の返還
財政再計算時において、保険料積立金の額が将来の給付に充てるため留保すべき金額を超える場合は、その超過額を事業主に返還する。
9.積立金の事業主への返還禁止
給付のために留保されるべき積立金は従業員に帰属するもので、特定の場合を除いて事業主へ返還することは認められない。
10.解約返戻金の従業員帰属
契約が解除された場合、要留保額は受益者等に帰属するものであること。
11.給付減額の制限
給付減額は、掛金の払込が困難になるなど相当な理由がある場合以外、行えないものであること。
12.差別取扱の禁止
掛金、給付の額、受給要件等について、特定の者に対し不当に差別的な取扱いをしない。
13.特別利益享受および個別運用指示の禁止
この契約を締結したことにより、事業主は通常より有利な条件で貸付を受けるなど特別な利益を受けないこと。又、事業主は年金資産について個別の運用指示はしてはならないこと。
14.契約の継続性
契約が相当期間継続するものであること。

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適格退職年金(制度の設計・導入パターン)

多くの場合、会社の退職一時金制度をベースに、給付額の一部または全部を適格退職年金(以下、「適年」という。)に移行する形で設計されます。

適年導入前
退職金の全額を退職一時金制度から支払い

退職金の全額を
退職一時金制度から
適年へ移行(100%移行)

退職一時金制度から
一定の割合で適年へ移行(横割)

退職一時金制度から
ある勤続年数または年齢以上の
退職者に支払う部分を適年へ移行(縦割)

退職一時金制度とは別に
上乗せする形で適年を新設(上乗せ)

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適格退職年金(掛金の仕組み・財政計算)

掛金の仕組み

従業員に退職時に支払う給付相当額を、死亡率や退職率、昇給率などの基礎率を基に合理的計算により事前に積み立てを行います。

過去勤務債務掛金
制度発足時にすでに入社していた従業員の過去勤務期間に対応する給付や利差損等(以下「過去勤務債務等」)に充てるための掛金。
制度の規模や内容に応じて定額や定率で過去勤務債務を償却します。
通常掛金
将来の加入員期間に対応する給付に充てるための掛金。
従業員の退職率や昇給率などを考慮して算出されます。
一部(50%を上限)を従業員が負担することもできます。

財政計算

適年では、厚生年金基金同様将来の年金給付を在職期間中の掛金収入と運用収益で準備する積立方式を採用しています。

従って、加入者の昇給や退職の動向、将来の運用収益の見通しなど様々な予測を行い、給付に必要な掛金を算定し積み立てを行います。

このため、次のように定期的に財政状況を検証、見直しすることが必要です。

財政決算
債務に見合った資産が積み立てられているかの確認を行います。
毎年1回、その契約毎に定められた財政決算日に行います。
財政再決算
基礎率(予定利率、死亡率、退職率、昇給率)および掛金率の見直しを行います。
通常は5年毎に行います。

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適格退職年金(税務上の取扱い・適年の課題)

税務上の取り扱い

1.掛金
事業主が負担した掛金は全額損金
従業員負担分がある場合は、生命保険料控除対象となる。
2.給付金
年金・・・雑所得(公的年金等控除の適用あり)
一時金・・退職所得(退職所得控除の適用あり)
3.積立金
特別法人税課税(平成22年度まで課税凍結)

適年の課題

受給権の確保
適年では、制度設計および掛金拠出の自由度が高いため、場合によっては長期間加入しても受給資格が得られない、あるいは、積立が十分でないといったケースもあります。こうしたことから、受給権の確保を図るため確定給付企業年金法が施行されました。
確定給付企業年金への移行
平成14年4月より確定給付企業年金制度がスタートしましたが、これに伴い適年の新規設立は認められなくなりました。また既存の制度についても平成24年3月までに確定給付企業年金等、他の年金制度に移行しなければなりません。移行にあたっては、制度変更が必要となるケースもありますので、十分な検討期間を持って制度移行を検討する必要があります。

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