確定給付企業年金には下記の2つの種類があります。
労使が合意した年金規約に基づき、企業と信託会社・生命保険会社等が契約を結び、母体企業の外で年金資金を管理・運用し、年金給付を行う企業年金
母体企業とは別の法人格を持った基金を設立した上で、基金において年金資金を管理・運用し、年金給付を行う企業年金(厚生年金の代行は行わない)


事業主は、過半数で組織する労働組合(ないときは過半数を代表する者)の同意を得て年金規約を作成し、厚生労働大臣の承認(規約型)、認可(基金型)を受けなければなりません。
このとき労働組合等の同意は各事業所毎に必要です。
常時使用または使用が見込まれる厚生年金被保険者等が300名以上であること。
(連合型では合算)
以下の場合を除き、一事業所につき一制度です。


厚生年金保険等の被保険者
加入者となることについて、下記の要件を満たせば一定の資格を定めることができます。
「一定の資格」とは以下のようなケースがあてはまります。
「一定の資格」を定める場合には、加入者とならない従業員について、
とするとともに、これらの制度において確定給付企業年金の給付に代わる相当な措置が講じられ、加入者とならない従業員について不当に差別的な取扱いとならないようにすることが必要です。
以下の期間について、年金規約で定めることにより算入が可能です。
給付については下記のとおりです。
| 給付の種類 | 支給要件 | 給付の内容 |
|---|---|---|
| 老齢給付金 | <支給開始年齢要件> ①60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したとき ②50歳以上①の年齢未満の規約で定める年齢以降に退職したとき <加入者期間要件> ・20年以内の規約で定める期間 | <支給方法> ・年金給付 選択一時金を設けることが可能 ・支給期間 終身又は5年以上の有期 保証期間を設ける場合は20年以内 <年金支給期間中の給付額の改定> ・支給開始後、一定期間経過後に定率で改定 ・規約で定める期間毎に改定 (前期給付額に指標分を加算) <選択一時金> ・保証期間を定めている場合に可能で、保証期間の現価相当額以下 ・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による |
| 脱退一時金 | ・老齢給付金の支給要件を満たさないものに支給 (加入者期間要件は3年以下で規定) ・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)に支給(老齢給付金に保証期間の定めがある場合に限る) | ・一時金給付 ・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の脱退一時金は、当該老齢給付金の保証期間の現価相当額以下 ・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による |
| 遺族給付金 (任意) | ・加入者の死亡 ・老齢給付金受給中者の死亡 ・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の死亡 ・老齢給付金、脱退一時金繰下げ者および障害給付金受給権者の死亡 | ・年金又は一時金 ・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の遺族給付金の現価相当額は、当該老齢給付金の現価相当額以下 ・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による |
障害給付金・・・省略
給付額の算定方法として下記のようなものが挙げられます。
加入者期間に応じた額 × 「規約で定める数値」
給与累計(給与平均) × 加入者期間に応じた支給率 × 「規約で定める数値」
(給与は加入者期間の全部又は一部)
Σ定額(給与等×一定率) × 再評価率 ÷ 「規約で定める数値」
(規約で定める期間毎)
「規約に定める数値」
年金として支給する場合の標準的な場合を「1.0」として、支給開始年齢、支給期間、保証期間、据置期間等の相違により設定

事業主は、年1回以上定期的に掛金を拠出しなければなりません。
掛金の額は将来の給付、運用収益の見込に基づき、財政の均衡が保てるよう計算します。
掛金の形態は下記のいずれかによります。
(それぞれ、性別、年齢、資格取得時年齢に応じて定めることが可能)
以下の要件を満たした場合は加入者が掛金の一部を負担することが可能です。
掛金の種類には以下のようなものがあります。
将来期間の給付に充てるため必要な費用で、原則として平準的に算定される額
過去勤務債務を償却するための掛金
<過去勤務債務の償却方法>
次回再計算までの間に積立金の額が、責任準備金及び最低積立基準額を下回ることが予測される額を償却する掛金で、次回再計算時に終了
非継続基準による掛金
積立金が0になる場合の給付に要する費用を拠出する額
確定給付企業年金では、将来にわたって約束した給付が支給できるよう、年金資産の積立基準を設定し、受給権確保を図っています。
年金数理に基づく適正な掛金を設定します
毎年の事業年度末に、年金財政が予定通り推移しているか(継続基準)、仮に制度が終了した場合に過去期間分の給付に見合う資産が確保されているかどうか(非継続基準)を検証します
少なくとも5年に1度、掛金の額の再計算をします
また、その他下記の事項に該当した場合も再計算を行います
「積立金 < 責任準備金 - 許容不足金」の場合、掛金額を再計算しなければなりません。

掛金の額は、予定利率、予定死亡率、予定脱退率等に基づき計算します。
運用収益の見込みに基づき合理的に決定
(注)下限予定利率:厚生労働大臣の定める率
(10年国債応募者利回りの5年平均または直近1年平均の低い方)
加入者、脱退者、性別、年齢に応じ、厚生労働大臣の定める率
(注)各区分に応じ、以下の率を乗じることが出来る
過去3年以上の実績および予測に基づき決定
実績および予測に基づき決定
「積立金(時価資産) < 最低積立基準額」の場合、
(1)積立比率に応じた掛金の追加拠出
又は
(2)回復計画の作成
を行い、最低積立基準額を確保しなければなりません。

<積立不足に伴い拠出すべき掛金の額>
翌1年間の最低積立基準額増加見込額+ 以下の額以上で不足額以下の額
( )は平成24年3月31日までの経過措置(下線部を( )に読み替える)
<拠出方法>
「積立不足に伴い拠出すべき掛金」- 翌事業年度掛金
→翌々事業年度に追加して拠出
(注)積立比率が0.9(0.8)以上であって、過去3年度のうち、2年度以上が1.0(0.9)以上である場合、拠出しないことも可能
()は平成24年3月31日までの経過措置
財政検証基準日の属する年度の翌々年度の開始の日から7年(10年※)以内に純資産額(数理的評価も可)が最低積立基準額(最低積立基準額×0.9※)を上回ること(積立水準の回復)が見込まれるような回復計画を作成し、基準日の翌々日から1年以内に実施しなければなりません。
※( )内数値は平成24年3月31日までの経過措置
最低積立基準額は「最低保全給付の現価相当額の合計額」とされています。
最低保全給付とは、過去の加入期間に応じて発生している、又は発生しているとみなされる給付をいい、受給権保護の観点から最低限保全すべき受給権として導入されたものです。
現価相当額は、下記の予定利率、予定死亡率等に基づき計算します。
過去5年間の30年国債利回りを勘案して厚生労働大臣の定める率
当該年率に0.8以上1.2以下を乗じることも可能
加入者、脱退者、性別、年齢に応じ、厚生労働大臣の定める率に各区分に応じ、以下の率を乗じた額
男子:0.95
女子:0.925
規約に基づく指標の予測
確定給付企業年金では積立上限額が設けられ、これを超えて掛金を拠出することはできません。
次のいずれか大きい額の1.5倍
※下限予定利率等を使用
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積立金が積立上限額を超える額について掛金控除が必要
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遅くとも翌々事業年度より次のいずれかの方法で掛金の範囲内で控除
(注)利子相当額は下限予定利率を使用
控除後の掛金について、本人負担の限度有
計算基準日における加入者の数が500名に満たないような小規模制度については、下記のような取扱いが可能です。
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適格退職年金契約に係る権利義務は、平成24年3月31日までの間に限り確定給付企業年金に移転することができます。
確定給付企業年金へ移行する時点における加入者については、下記のような取扱いが可能です。
<老齢給付金支給開始要件>
次のいずれか
<脱退一時金の支給要件>
次のいずれか
<加入>