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確定給付企業年金(仕組み)

確定給付企業年金には下記の2つの種類があります。

規約型企業年金

労使が合意した年金規約に基づき、企業と信託会社・生命保険会社等が契約を結び、母体企業の外で年金資金を管理・運用し、年金給付を行う企業年金

基金型企業年金

母体企業とは別の法人格を持った基金を設立した上で、基金において年金資金を管理・運用し、年金給付を行う企業年金(厚生年金の代行は行わない)

【規約型企業年金の仕組み】

【基金型企業年金の仕組み】

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確定給付企業年金(制度の実施)

確定給付企業年金の実施

事業主は、過半数で組織する労働組合(ないときは過半数を代表する者)の同意を得て年金規約を作成し、厚生労働大臣の承認(規約型)、認可(基金型)を受けなければなりません。
このとき労働組合等の同意は各事業所毎に必要です。

基金型の人数要件

常時使用または使用が見込まれる厚生年金被保険者等が300名以上であること。
(連合型では合算)

制度数

以下の場合を除き、一事業所につき一制度です。

  • 二つの確定給付企業年金制度の実施事業主の全部が共通でない場合
  • 一事業所において適用される就業規則等が異なる場合
  • 企業合併から原則として1年以内の期間
  • 厚生年金基金を実施している場合、1制度のみ加入
  • 厚生年金基金の代行返上後、5年を経過していない場合
  • 適格退職年金からの権利義務承継後、5年を経過していない場合(平成29年3月31日まで)

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確定給付企業年金(加入者)

加入対象者

厚生年金保険等の被保険者

加入資格要件

加入者となることについて、下記の要件を満たせば一定の資格を定めることができます。

  • 不当差別がないこと
  • 加入者が資格喪失を任意に選択できるものでないこと

「一定の資格」とは以下のようなケースがあてはまります。

1.「一定の職種」
労働協約等において規定される職種で、これらの職種に属する従業員に係る給与及び退職金等の労働条件が他の職種に属する従業員とは別に規定されている場合
2.「一定の勤続期間」「一定の年齢」
「一定の勤続期間」以上又は「一定の年齢」以上若しくは以下の従業員を加入者とすること。ただし「一定の勤続期間」以上の従業員のみを加入者とする場合は5年以上の勤続年数を有する従業員について、「一定の年齢」以上の従業員のみを加入者とする場合は30歳以上の従業員について、「一定の年齢」未満の従業員のみを加入者とする場合は50歳未満の従業員については、少なくともこれを加入者とすること。
3.「希望する者」
従業員のうち「加入者となることを希望した者」のみ加入者とすること。ただし、加入者がその資格を喪失することを任意に選択できるものではなく、かつ、将来にわたって安定的な加入者数が確保されるように制度設計上配慮されていること。

「一定の資格」を定める場合には、加入者とならない従業員について、

  • 1、2の場合においては他の確定給付企業年金や厚生年金基金、適格退職年金、確定拠出年金(企業型)、退職手当制度などが適用されていること
  • 3の場合においては、確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度が適用されていること

とするとともに、これらの制度において確定給付企業年金の給付に代わる相当な措置が講じられ、加入者とならない従業員について不当に差別的な取扱いとならないようにすることが必要です。

加入者期間

以下の期間について、年金規約で定めることにより算入が可能です。

  • 再加入者の前後の加入者期間(前期間の給付が完了していないこと)
  • 企業年金実施前の期間
  • 加入者資格取得前の期間
  • 他の厚生年金適用事業所での使用期間

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確定給付企業年金(給付)

給付については下記のとおりです。

給付の種類支給要件給付の内容
老齢給付金<支給開始年齢要件>

60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したとき

50歳以上①の年齢未満の規約で定める年齢以降に退職したとき


<加入者期間要件>

・20年以内の規約で定める期間
<支給方法>

・年金給付
選択一時金を設けることが可能

・支給期間
終身又は5年以上の有期
保証期間を設ける場合は20年以内

<年金支給期間中の給付額の改定>

・支給開始後、一定期間経過後に定率で改定

・規約で定める期間毎に改定
(前期給付額に指標分を加算)

<選択一時金>

・保証期間を定めている場合に可能で、保証期間の現価相当額以下

・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による
脱退一時金・老齢給付金の支給要件を満たさないものに支給
(加入者期間要件は3年以下で規定)

・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)に支給(老齢給付金に保証期間の定めがある場合に限る)
・一時金給付

・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の脱退一時金は、当該老齢給付金の保証期間の現価相当額以下

・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による
遺族給付金
(任意)
・加入者の死亡

・老齢給付金受給中者の死亡

・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の死亡

・老齢給付金、脱退一時金繰下げ者および障害給付金受給権者の死亡
・年金又は一時金

・老齢給付金の受給資格者(支給開始年齢要件を除く)の遺族給付金の現価相当額は、当該老齢給付金の現価相当額以下

・現価相当額の計算は、前回財政計算時以降の最も低い下限予定利率、使用した死亡率による

障害給付金・・・省略

給付額の算定方法として下記のようなものが挙げられます。

定額給付

加入者期間に応じた額 × 「規約で定める数値」

給与比例給付

給与累計(給与平均) × 加入者期間に応じた支給率 × 「規約で定める数値」
(給与は加入者期間の全部又は一部)

キャッシュバランスプラン

Σ定額(給与等×一定率) × 再評価率 ÷ 「規約で定める数値」
(規約で定める期間毎)

上記3種の組み合わせ

「規約に定める数値」
年金として支給する場合の標準的な場合を「1.0」として、支給開始年齢、支給期間、保証期間、据置期間等の相違により設定

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確定給付企業年金(キャッシュバランスプラン)

キャッシュバランスプランの仕組み

キャッシュバランスプランの仕組み

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確定給付企業年金(掛金)

事業主は、年1回以上定期的に掛金を拠出しなければなりません。

掛金の額は将来の給付、運用収益の見込に基づき、財政の均衡が保てるよう計算します。

掛金の形態は下記のいずれかによります。

  • 定額
  • 給与又は給与に類するものに一定率を乗じる
  • 上記2つの組合せ

(それぞれ、性別、年齢、資格取得時年齢に応じて定めることが可能)

以下の要件を満たした場合は加入者が掛金の一部を負担することが可能です。

  • 負担額が掛金の1/2を超えないこと
  • 加入者の同意を得ること
  • 掛金を負担しないことを申し出た場合に、掛金を負担しないものとすること
  • 掛金を負担していた加入者が、掛金を負担しないこととなった場合に、再び掛金を負担できないこと
  • 年金規約に定めること

掛金の種類には以下のようなものがあります。

標準掛金

将来期間の給付に充てるため必要な費用で、原則として平準的に算定される額

特別掛金

過去勤務債務を償却するための掛金

<過去勤務債務の償却方法>

  • 元利均等償却(3年以上20年以内)
  • 弾力償却(元利均等に基づき掛金の上下限を定め、毎年の掛金をその範囲で決定する方法)
  • 残高比例償却(過去勤務債務の一定率(15/100以上50/100以下)を償却)

積立不足予想額の償却掛金

次回再計算までの間に積立金の額が、責任準備金及び最低積立基準額を下回ることが予測される額を償却する掛金で、次回再計算時に終了

積立不足に伴う掛金

非継続基準による掛金

臨時拠出

積立金が0になる場合の給付に要する費用を拠出する額

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確定給付企業年金(受給権確保の仕組み)

確定給付企業年金では、将来にわたって約束した給付が支給できるよう、年金資産の積立基準を設定し、受給権確保を図っています。

設立時

年金数理に基づく適正な掛金を設定します

決算時

毎年の事業年度末に、年金財政が予定通り推移しているか(継続基準)、仮に制度が終了した場合に過去期間分の給付に見合う資産が確保されているかどうか(非継続基準)を検証します

継続基準の財政検証
「積立金 < 責任準備金 - 許容不足金」の場合
→財政再計算
「積立金 > 積立上限額」の場合
→掛金控除
非継続基準の財政検証
「積立金 < 最低積立基準額 」
→積立不足に伴う掛金拠出

財政再計算時

少なくとも5年に1度、掛金の額の再計算をします

また、その他下記の事項に該当した場合も再計算を行います

  • 加入者数の著しい変動時
  • 制度変更時等

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確定給付企業年金(継続基準)

「積立金 < 責任準備金 - 許容不足金」の場合、掛金額を再計算しなければなりません。

掛金の額は、予定利率、予定死亡率、予定脱退率等に基づき計算します。

予定利率

運用収益の見込みに基づき合理的に決定

(注)下限予定利率:厚生労働大臣の定める率
(10年国債応募者利回りの5年平均または直近1年平均の低い方)

予定死亡率

加入者、脱退者、性別、年齢に応じ、厚生労働大臣の定める率
(注)各区分に応じ、以下の率を乗じることが出来る

  • 加入者:0.0以上
  • 脱退者または遺族(男子):0.9以上1.0以下
  • 脱退者または遺族(女子):0.85以上1.0以下
  • 障害給付金受給権者:1.0以上

予定脱退率

過去3年以上の実績および予測に基づき決定

予定昇給率(その他)

実績および予測に基づき決定

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確定給付企業年金(非継続基準)

「積立金(時価資産) < 最低積立基準額」の場合、
(1)積立比率に応じた掛金の追加拠出
又は
(2)回復計画の作成
を行い、最低積立基準額を確保しなければなりません。

(1)積立比率に応じた掛金の追加拠出を行う場合

<積立不足に伴い拠出すべき掛金の額>

翌1年間の最低積立基準額増加見込額+ 以下の額以上で不足額以下の額

  • 時価資産 < 最低積立基準額 × 0.8のとき
    (不足額 - 最低積立基準額 × 0.2)÷ 5 + 最低積立基準額 ÷ 60 (100)
  • 最低積立基準額 × 0.8 ≦ 時価資産 < 最低積立基準額 × 0.9のとき
    (不足額 - 最低積立基準額 × 0.1)÷ 10 + 最低積立基準額 ÷ 150 (0)
  • 最低積立基準額 × 0.9 ≦ 時価資産のとき
    不足額÷15 (0)

( )は平成24年3月31日までの経過措置(下線部を( )に読み替える)

<拠出方法>

「積立不足に伴い拠出すべき掛金」- 翌事業年度掛金
→翌々事業年度に追加して拠出

(注)積立比率が0.9(0.8)以上であって、過去3年度のうち、2年度以上が1.0(0.9)以上である場合、拠出しないことも可能
()は平成24年3月31日までの経過措置

(2)積立水準の回復計画の作成を行う場合

財政検証基準日の属する年度の翌々年度の開始の日から7年(10年)以内に純資産額(数理的評価も可)が最低積立基準額(最低積立基準額×0.9)を上回ること(積立水準の回復)が見込まれるような回復計画を作成し、基準日の翌々日から1年以内に実施しなければなりません。
※( )内数値は平成24年3月31日までの経過措置

最低積立基準額は「最低保全給付の現価相当額の合計額」とされています。

最低保全給付とは、過去の加入期間に応じて発生している、又は発生しているとみなされる給付をいい、受給権保護の観点から最低限保全すべき受給権として導入されたものです。

最低保全給付

受給者・待期者
規約に基づいて裁定された年金給付
加入者
下記又はこれらに準ずる方法のうち予め規約に定めた給付
  • 標準退職年齢での予想給付額から、現時点までの加入期間に係る分として按分率を乗じて算出する方法
  • 現時点で退職したと仮定した場合の給付額に年齢に応じて定めた率を乗じて算出する方法

現価相当額は、下記の予定利率、予定死亡率等に基づき計算します。

予定利率

過去5年間の30年国債利回りを勘案して厚生労働大臣の定める率
当該年率に0.8以上1.2以下を乗じることも可能

予定死亡率

加入者、脱退者、性別、年齢に応じ、厚生労働大臣の定める率に各区分に応じ、以下の率を乗じた額

男子:0.95
女子:0.925

キャッシュバランスプランでは、再評価に用いる指標

規約に基づく指標の予測

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確定給付企業年金(積立上限額)

確定給付企業年金では積立上限額が設けられ、これを超えて掛金を拠出することはできません。

積立上限額

次のいずれか大きい額の1.5倍

  • 数理債務の額(給付現価-標準掛金収入現価)
  • 最低積立基準額

※下限予定利率等を使用

積立金が積立上限額を超える額について掛金控除が必要

掛金の控除額

遅くとも翌々事業年度より次のいずれかの方法で掛金の範囲内で控除

  • 控除対象額に利子相当額を加えた額(前詰め)
  • 控除対象額に利子相当額を加えた額を翌々事業年度末まで均等(元利均等)

(注)利子相当額は下限予定利率を使用
控除後の掛金について、本人負担の限度有

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確定給付企業年金(小規模制度の取扱い)

計算基準日における加入者の数が500名に満たないような小規模制度については、下記のような取扱いが可能です。

掛金の額

  • 予定利率、予定死亡率のみを使用(キャッシュバランスプランは指標予測を使用)
  • 予定利率は下限予定利率以上4.0%以下 等

最低積立基準額

決算時の最低積立基準額=決算時の数理債務×直前の掛金計算時の最低積立基準額÷直前の掛金計算時の数理債務

積立上限額

決算時の積立上限額=決算時の数理債務×直前の掛金計算時の積立上限額÷直前の掛金計算時の数理債務

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確定給付企業年金(適格退職年金からの移行)

適格退職年金契約に係る権利義務は、平成24年3月31日までの間に限り確定給付企業年金に移転することができます。

確定給付企業年金へ移行する時点における加入者については、下記のような取扱いが可能です。 

移行時点の加入者についての取り扱い

<老齢給付金支給開始要件>
次のいずれか

  • 老齢給付金支給開始要件(加入者期間20年は適用しない)
  • 適格退職年金での支給開始要件

<脱退一時金の支給要件>
次のいずれか

  • 脱退一時金の支給要件(加入者期間3年は適用しない)
  • 適格退職年金での支給要件

<加入>

  • 加入者掛金がある場合は、移行時加入者については任意加入とすることが出来る。

 

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